世界遺産、白川郷。岐阜県と富山県の県境、険しい山間地にあり、独自の生活文化が形成された集落だ。その象徴にもなっている合掌造りは現在110棟余り。うち半分で今も日常の生活が営まれている。村の人口は約1600人（2015年）ほどで、その暮らしや風景を見るために訪れる観光客は年間170万人にものぼる。クルマで訪れる際は「村営せせらぎ公園駐車場」に駐車して、歩いて村内を巡るというのが一般的だ。

国の重要文化財になっている「和田家」をはじめ見どころは多く、宿泊できるところもある。忘れてならないのは、つい数十年前まで、ここが秘境だったということだ。日本有数の豪雪地帯であるため、大雪から家を守るために、家の構造に独自の工夫が重ねられ、例えば屋根が約60度と急勾配なのは雪を滑り落としやすくするため。かつては1つの屋根の下に20～30人の大家族が生活し、屋根裏の2～3層は養蚕の作業場であった。そんな日本の原風景に、インフィニティの流麗なフォルムが意外なほど溶け込む。