岐阜県のほぼ中央にある郡上は“水のまち”と呼ばれている。それは清流、吉田川が街の中心を流れていることだけではなく、生活を営む人たちが水を大切に扱い、水との共生をはかってきたからだ。いたるところに水路や水舟（水槽）が設けられ、そこでは住民が洗い物をしたり、野菜や果物を冷やしたりと、日常のひとコマを繰り広げる。

また吉田川は郡上っ子たちの遊び場になっており、橋の欄干から10ｍ下の水面を目がけて飛び込む子どもたちの姿は、郡上の夏の風物詩になっている。そんな“水のまち”を熱気で包み込むのが「郡上まつり」だ。開催期間はとても長く7月中旬から9月初旬、しかもお盆の4日間は夜8時から夜明けまでノンストップで踊り明かす。街はまさに郡上おどり一色。月夜に響く歌声と、人々の熱気に包まれながら、夜が更けていく。