戦国武将、織田信長（1534～1582）の城下町として知られる岐阜市。今から450年ほど前、信長はこの町を拠点に天下統一に乗り出した。「岐阜」という名前をつけたのも、信長だ。市内にはそんな歴史ロマンを感じさせるスポットが数多く残っている。まず注目したいのは岐阜城。標高329mの金華山の山頂にそびえたち、かつては信長の居城だった。その城下町として栄えた「川原町（かわらまち）」と呼ばれるエリア（玉井町・湊町・元浜町の一帯）も人気スポットのひとつ。城下町としての面影を残しながらも飲食店や雑貨店が軒を並べ、散策が楽しい。

夏に訪れるなら夜に行われる「長良川鵜飼（ながらがわうかい）」は必見。岐阜城を背景に、赤々と燃える篝火（かがりび）を川面に映し、鵜匠と鵜が一体となって繰り広げる古典漁法は、現在を忘れ千古の昔にタイムスリップしたような幽玄の世界へと誘う。